【AWATIN~AS / "Kullakita"】(1990)ショックだった。このアルバムに針を落とした瞬間、いきなりゴルゴ13に狙撃されたくらい驚いた。※1もう逃げられない。観念するしかない。ゴルゴから逃げられた者はいないのだ。ゴルゴ……いや違った、ボリビアにさしてこだわりを持たなかった私が、その後何年もボリビアに縛られてしまった。迫力のサンポーニャ・プレイ(というよりシクリアーダっていった方が感じが出る?)。アイマラ語でかぶる...
【Grupo AYMARA】(1982)どの音盤が「名盤」かって人によって違うんだよね。……そんなの当たり前じゃないというあなた。……でも「本当にいいもの」は歴然として存在する! この名盤がわからないヤツは耳が悪いだけだ!というあなた。まあ、意見はいろいろあっていいんじゃないかな。吉野家の牛丼だって、ネギダクダク※1がいいって人から、果てはツメシロ※2がいいって人までいろいろだし。卵一つとったって、かき混ぜ派もいれば、...
【PRENDADOS / "Identidad" 】(2004)なんてったってアイドルである。ジャケットからしてカメラ目線でビシバシ、ガンをとばしてるのである。まあ、アルゼンチンでノチェーロスがものすごい勢いでブレイクしたので、「じゃあ、うちも」っていう計算なんだろう。正直、最初はちょっと小馬鹿にしていたかも。だってチャランゴ、サンポーニャ、ギター、ケーナができるやつを集めるのは簡単だけど、それだけじゃ駄目で、イケメンじゃなく...
【LUZ DEL ANDE / "Peskha patac mara …"】(1992)1992年は「コロンブスによるアメリカ大陸到達500周年」ということで、映画・出版・イベント・音楽と多方面で盛り上がった年だ※1。バブル崩壊直後だったが、あのころの日本は、その後の「戦後最大の不況」「いつ夜は明けるのか」なんて状態なんかまだ誰も予想だにしていなくて、今考えると商品企画にもまだまだ勢いがあった時代だ。ご多分に漏れず、レコード業界もさまざまな企画盤...
【SALINAS / "remos en el agua"】(2003)あまりに魅力的で、素敵で、最高で、他人にはその魅力に気づいてほしくない、教えたくないという矛盾した気持ちにさせてくれるものが誰にでも一つはあるだろう。まだ誰もその魅力に気づいた様子がないようならなおさらだ。人に教えたい、わかってほしいという気持ちと、教えたらもったいないという気持ちの綱引きである。え?私がケチなだけ?まあ、私がケチであるかどうかはともかく、私に...
【JACH'A MALLKU / "El Arte de … JACH'A MALLKU"】(1989)ハッチャ・マリュクの2ndアルバム。・・・でありながら、すでにジャケット裏面にはディスコ・デ・プラティノ(プラチナ・ディスク)を受賞した写真が。1stアルバム"YOTALEN~A"がいかに反響を呼んだかがわかるというものだ。現在残っているメンバーはヴォーカルのフランツ・チュキミアのみになってしまったが、なにがスゴイかって独特のハッチャ・サウンドに変化がない点だ...
【WARA / HICHHANIGUA HIKJATATA "PAYA"】(1976)ワラの3rdアルバム※1。大きな衝撃をもって受け入れられた2nd "MAYA" やユーライア・ヒープのカヴァーを行った4th "QUIMSA" 、ENCUENTROSを収録した5th "PUSI"に挟まれ、プログレファンからもフォルクファンからもあまり注目されないが、大変なコンセプトを持った名盤なのである。まさにボリビア音楽の歴史を俯瞰し、また新たな出発点にたとうという野望に満ちたアルバムなのだ。●...